ロビトロEXPERTチャージャーの紹介A

今回はEXPERTチャージャで実際にバッテリを充電したときのデータをレポートします。放電特性についてはもう少し時間をかけて調べてみたいと思っています(結果はいずれバッテリーセンターでレポート予定)

前回のレポートで紹介した通り、EXPERTチャージャーでは大きく分けて3ステージ充電とリニア充電という2つの充電方法が選択できます。更にそれぞれの充電電流をユーザが設定することができるので、実験パターンはたくさんあります^^;;

今回はこのうち、出荷時に設定されている下記3つの充電方法を試してみました。
●3ステージ充電(高電流パターン、9.0-->6.0-->4.0A)
●3ステージ充電(低電流パターン、7.5-->4.5-->3.5A)
●リニア充電(5.0A固定)

まず、充電をスタートして気が付いたのがEXPERTチャージャーでは間欠充電をしているということです。僕が調べた限りでは下記のようなパターンで充電が行われていました。

●3ステージ充電のとき-->5秒に1回電流が0になる。1秒後に復帰。これを充電終了まで繰り返す
●リニア充電のとき-->1秒に1回電流が下がる。すぐに復帰。これを充電終了まで繰り返す

心配だったのでロビトロ本社とPowers Japanに問い合わせてみたところ、この動作によってバッテリのコンディションをチェックしているそうです。正常な動作ということでした。

まずはじめに各充電方法の完了時間を調べてみました。その結果は・・
●3ステージ充電(高電流パターン、、9.0-->6.0-->4.0A)   :およそ39分
●3ステージ充電(低電流パターン、7.5-->4.5-->3.5A)    :およそ41分
●リニア充電(5.0A固定)                      :およそ46分

容量の少ない練習用のR3300バッテリを使ったので全体的に充電時間が短いですが、3ステージ充電ではリニア充電に比べて充電時間が短くなっています。

次に各充電方法の電流変化を調べてみました。充電中10秒ごとに充電器に表示された電流値を記録したものです。

電流A(青)はリニア5.0Aの電流です(リニアなので充電電流に変化はありません)。電流B(ピンク)は3ステージ(9-->6-->4A)の電流です。おもしろいのは9-->6-->4Aと設定した電流にすぐに変化するのではなく、段階的に変化している点です。たとえば充電初期は設定どおりの9.0Aですが、その後7.5A-->7.0Aと変化し、6.0Aになっています。同様に電流C(黄色)は3ステージ(7.5-->4.5-->3.5A)の電流ですこちらも段階的に電流が変化しています。段階的に電流を変化させないとバッテリの端子電圧が急激に下がり、ミスピーク検出となってしまうのでしょうか。

このように設定電流の中間で充電しているとき、たとえば7.5Aの場合には充電器の表示が7.5*となり、設定電流で充電中には6.0Aと表示されるようです。

同じ確認を同じ銘柄の別のバッテリでおこないました。結果は次のようになりました。

同じ種類のバッテリなのに、電流の変化はかなり異なっています。これを見てもEXPERTチャージャーがバッテリーのコンディションを判断して電流値を調整していることがわかります。

次に充電中のバッテリ温度を調べてみました。充電中10秒ごとに充電器に表示された温度を記録したものです。

温度A(リニア5.0A)では充電末期に温度が急激に上がっています。一方3ステージ充電では充電初期・中期には少し温度が高めですが末期にはリニアに比べて温度が低くなっています。温度Bは高めの電流における3ステージ充電で、温度Cは低めの電流における3ステージ充電です。充電完了時に手で触ってみてもその違いは明確にわかります。

ここまでの実験でわかったことは3ステージ充電ではリニア充電に比べて・・・
●充電時間が短い
●充電完了時の温度が低い

ということになります。

最後に各充電方法で充電したバッテリの放電特性を調べてみました。詳細はもう少し時間をかけてレポートする予定ですが、平均電圧・放電時間いずれも従来の充電方法と同じくらいの特性になっているようです。