こうぐちくんの愛車紹介 〜Part9〜

こうぐちくんの愛車紹介の9回目はこうぐち君のトリニティーリビルトレポートです。例によって文章・写真はこうぐち君に寄稿してもらいました。

最初にデルリンボールをセレクト。ベスト径は5.950mmだと思っています。 右の2個が5.950mmで、首に長さは右1.05mm、左1.10mm。 左の二つは夏用で、径は6.00mmと6.025mm。首はともに1.150mm。
夏は樹脂が柔らかくなるので僅かに大きいボールを使用しています。 写真の左から3、4番目はボツです。明らかにズングリとした形をしており、サス アームにはめても渋く、ぎこちない動きとなります。品質向上を求めたいところでもあります。

ところでボールは、キングピンが通る穴をテーパー状に加工しています。また通り づらいときは3.2mmのドリルで広げることもあります。

   
サスアーム。セットアップボード上で写真の位置の高さを計測。新品は5mmのようです。シャーシにつけた状態でも、シャーシ分の厚みを足せば、サスアームの曲がり具合が確認できます。使用時には、バリを落し、ネジ穴のテーパー加工をしています。
   
既にはめ込んだボールが渋いときや、サスアームが折れたときなどボールを取り外すために、ユーズドのロングピロボールを写真のように使い、床に押し付けると簡単にボールが外れます。
   
走行後のシャーシ裏。左の→のところに均一なすれ傷がないことはセットが出来ていないという証拠>チャンプの店長談。右の→は逆に削れ過ぎらしい。ショックスプリングが弱かったのか、車高が低かったのだと思います。シャーシの裏を見ると目安になるということです。
   
サスアームにネジをまっすぐ入れ、軽く緩めた状態でアッパーブレースを上からはめ込みます。そして写真の間隔をノギスで測り左右が首を振っていないか確認しながらネジを締めてゆきます。この方法は骨折したときにも有効なので、取り入れている方法です。ブレースを取り付けておくのは、ネジの上下がシャーシに対して垂直になるようになる工夫だと思っています。
   
キングピンのセレクト。キングピンも製品の個体差が激しいところだと思います。左右の2つは大きいスジがあり、これらは使っていません。中央の比較的スジの少ない物を選んで使うようにしています。また、Eリングをはめるミゾには、加工時の金屑が詰まっているので、これを取り除きます。
   
キングピンの長さは、これまた個体差が激しいと思います。ものによっては2mm以上違うこともあるそうです。前長29.95mmのものを使っています。30mm以上あるものはホイールに干渉しやすくなるので使用を控えています。

   

上下のEリングの間隔も左右異なることがあるようです。スプリングの硬さのバラツキ、長さの違いなどによって、左右で挟むシムの枚数が異なることは普通だと思います。
   
キングピンのEリング用のミゾは、削ぎ落とした加工の跡からか、せり上がっているようです。それではデルリンボールやステアリングブロックを傷つけ、スムースに通らないのでテーパー状に丸めています。
   
その後、耐水ペーパーを使い、特にサスアーム側の動く側を磨いています。最終仕上 げにはコンパウンドを用いて‘適度に’光るようにしています。
   
0. 020“スプリングを主に使用しています。これもスプリングの長さが異なっていることが多く、長さを揃えたいところです。
1. ですがその前に、軽くスプリングをもんでからマッチドしています。
   
ボールに差し込んでキングピンが自重ですとんと落ちるか確認です。
   
軽く落ちる場合でも、この段階でボールがスムースに動かないとき、最終手段として、プライヤーで軽くつかむ作業をしています。トリニティの樹脂は比較的柔らかいので、いまのところお湯の作業は省いています。
   
ステアリングブロックの穴がまっすぐであるか確認します。
モーターツールや、TCのサスピンなど1/8“(3.17mm)サイズの棒を使うと簡単だと思います。写真はイメージです。
また、アクスルシャフトを止めるEシングとステアリングブロックの間にガタがあるのでトリニティのモーターシムを追加しています。
   
シムはイーグルのモーターシムが使いやすいと思います。手に入らないときはテックのモーターシムで代用しています。
シム枚数は、走行状態でリバウンドぎりぎり無し〜0.5mm程度追加する範囲で調整しています。 左右でキングピンの長さが異なるとき、スプリングの長さに個体差があるときなど
は、左右で挟むシムの枚数も同じとは限らないと思います。指で感を頼りにして、適当に調整しています。