**こちらに記載されている内容はVer10.81について記載されたものです。仕様などは予告無く変更されることがあります。**

**文章、画像の無断使用はご遠慮ください**

kimihiko-yano.netはプロトラック社からライセンス供与を受けているディストリビュータです。プロトラック社の許可のもと日本国内における修理対応・サポートをおこなっています。kimihiko-yano.netからも技術的な支援をおこなうことで製品の品質をより高める努力をしています。

【プロトラックの主な特長】

1) 各セルの状態監視が可能
充電や放電中にセルの状態を個別に監視することができます。劣化したセルが1つでもあるとバッテリーパック全体のパフォーマンスに影響を及ぼすことがあります。プロトラックで劣化セルを簡単に見つけることができます。下図のように電圧バランスや他に放電時間のバランスも確認できます。

2)高度なキャリブレーション機能
各セルの電圧を正確に測定できるようプロトラックにはキャリブレーション(校正)機能が装備されています。これによって両端のセル(6セルパックならセル1とセル6)の電圧が実際より低く測定されるといったトラブルが起こりません。充電ケーブルのコネクターをユーザが交換した際にも正確な電圧検出が可能になります。**キャリブレーションをおこなうにはテスターが別途必要**

3)多彩な充電パターン
プロトラックは多数の充電パターンを装備しています。状況に応じて下記の充電パターンを選択することができます。ワンタッチで機能を呼び出すこともできるので忙しいピット作業の合間にも確実にバッテリーを充電できます。

Peak Detect

デルタピーク検出充電

Repeak

追い充電専用モード(デルタピーク検出充電)

Temp Detect

温度検出充電

Push Charge

Repeak前に放電機能を追加したパターン

Part Charge

一部だけ充電(バッテリーパック保存用)

Pack Test

短時間でアンマッチセルを検出する

TX Charge

送信機用バッテリーの充電(緊急用)

Cycle

サイクル充放電

Monitor

オプションのICSと連携したバッテリーパックのテスト

CDAT

高度な充電シーケンスの研究


4)いつでも最新機能を
プロトラックはROMを交換することで簡単にアップグレードできます。アップグレードをおこなうと最新の機能が使えるようになります。このため充電器本体を買い直す必要がなくなり、いつまでも最新の状態でプロトラックを利用することができます。プロトラックの進化はこれからも継続しておこなわれます。最新ROMの販売もkimihiko-yano.netでおこなわれます。

5)豊富なオプション機器
プロトラックは別売りのオプション機器と組み合わせて使うことができます。Intensive Care System(ICS)は高度な単セル放電器として使えます。例えばバッテリーパックを0V近辺まで放電してから充電をすることができます。Temperature Detect Module(TDM)を使うとバッテリーの温度で充電を停止することができます。Motor Run-Inアッセンブリーを使うとPro Trakでモータを回すことができます。

6)パソコンとの連携
プロトラックをパソコンに接続すると充電や放電データをパソコンで管理できるようになります。kimihiko-yano.netでは無料のwindowsアプリケーションを配布しています。これを用いると電圧の変化をリアルタイムにグラフ化したりデータを保存することができます。

**開発中の画面です

【プロトラック30の新機能】

1)ハードウェアの変更

o 新しくなったケース
筐体は完全新設計となっている。全体的に丸みを帯びたデザインになっており、従来型のプロトラックとは異なる印象を醸し出している。筐体全面のフェースプレートのデザインも新調された。

o 30A放電のサポート
新型プロトラックでは30Aという大電流放電をサポートしている。放電電流は30Aに固定されており、高精度な放電を可能としている。10-40Aの範囲で放電時間をシミュレーションできる機能も装備されている。

o 大型ファン4基装備
大電流放電に対応するためヒートシンクを冷却するファンが増設された。従来のプロトラックは筐体内部から1基のファンで冷却するスタイルだったが新型プロトラックではこれに加えてヒートシンクを強制空冷する3基のファンが増設された。増設されたファンは50度を超えると自動的に回転をはじめ、ヒートシンクを効率よく冷却する。

o チルトアップスタンド装備
筐体下部にはチルトアップスタンドが装備され、スペースの限られたピットスペースを有効に使えるよう配慮されている。

o ブルーバックライトLCD
ブルーパックライトLCDが標準タイプとなっている。チルトアップスタンドで適切な角度が確保されるため屋外でも視認性が低下することなく使用できる。


2)ソフトウェアの変更

ソフトウェアには大幅な改良が加えられ、他に例がないほど多機能化されている。操作方法は従来型のプロトラックを踏襲しており、以前からのユーザもストレス無く新型プロトラックに移行できるよう配慮されている。

ソフトウェアの全機能をここで詳しく説明することはできませんが、新型プロトラックに装備されるVer10.81の主な機能について説明します。

o 3ステージ充電のサポート
充電電流を充電容量に応じて変化させる3ステージ充電機能がサポートされる。各ステージにおける充電電流を変化させるだけではなく、電流パルスを変更させることもできる。例えばステージ1ではリニア電流5Aで充電をおこない、ステージ2ではハードパルス電流6A、ステージ3ではリバースパルス電流4Aといった設定もできる。もちろんすべてのステージをリニア電流で充電することもできる。

3ステージ充電の例

o 充電パルスの詳細な設定
リニア電流の他にプロトラックではソフトパルス、ハードパルス、リバースパルスと呼ばれる3種類のパルス電流がサポートされる。ハードパルスではパルス高さを可変させることも可能になっている。

o CDAT機能の追加
CDATは kimihiko-yano.net から発売されるプロトラックだけに装備される特別機能の1つです。この機能はサイクル充放電を大幅に拡張した機能である。一般的にサイクル充放電とは指定された回数だけ同じ条件で充電と放電を繰り返して終わるというものである。もちろんプロトラックでもこのようなサイクル充放電機能を装備している。それに加えてCDATでは各サイクルで用いられる設定を切り替えることができる。これによって充電に関する様々なパラメータがどのように放電特性に影響を与えるのか判断することができます。例えば初めのサイクルではリニア充電をおこない、次のサイクルではパルス充電をおこなう。それぞれの放電データを比較することでどちらの方法が有効なのか判断することができる。各サイクルの間隔は最大1週間まで設定でき、より現実的な試験を可能としている点も見逃せない。

**単純なCDAT使用例

CDATでは次の充電要素がパラメータ化され、サイクル毎にトグル(切り替え)できるようになっている。

● サイクル間でICSによる単セル放電するか(デッドショートするか)
● ICSによる単セル放電をサイクル毎にトグルするか
● Part Charge(一部だけ充電)しバッテリーパックを保存するか(mA指定可能)
● Part Chargeを開始するまでの時間
● Part Chargeを毎回おこなうかどうか
● 充電直前に単セル放電するか
● Push Charge(一部放電後、再充電)するか
● Push Chargeをサイクル毎にトグルするか
● Cell Type(Ni-CdかNi-Mhか) をサイクル毎にトグルするか
● 温度充電かΔピーク充電か
● 温度充電とΔピーク充電をサイクル毎にトグルするか


3)オプションパーツ
kimihiko-yano.netではプロトラック用周辺機器の販売もおこなっています。

o ICS放電器
Intensive Care System(ICS)はプロトラック純正オプションの単セル放電器です。ICSはプロトラックと連携動作させることができる。ICSはバッテリーパックの各セルが転極しないように監視しながら放電をおこない、すべてのセルの放電が終わった時点で自動的に充電を開始したり、CDATと連動させて高度な試験をおこなうことができます。

ICSの接続例

o Tempモジュール
Temperature Detect Module(Tempモジュール)はプロトラック純正オプションです。Tempモジュールを使うとバッテリーの温度で充電を制御することができます。Tempモジュールには複数の温度センサーが装備されており、高精度な温度検出が可能となっている。

o Motor Run-In Assembly
Motor Run-In Assemblyはプロトラック純正オプションです。Motor Run-In Assemblyはプロトラックと連動して走行用モータの慣らし運転を実現します。プロトラックからモータの回転を制御することができます。モータの発熱を抑えるパルス電流でモータを回すこともできます。

o オリジナルフェースプレート
kimihiko-yano.net ではオリジナルデザインのフェースプレートを販売している。両面テープで筐体に固定するタイプで数種のデザインが発売されています。

     


4)windows用ツールの提供
kimihiko-yano.netではプロトラックのデータをパソコンで管理できるツールの開発もおこなっている。パソコンでバッテリーデータの管理をおこなったり、電圧や温度データをグラフ表示することが簡単にできる。こちらのツールはプロトラック社公認ツールとしてプロトラック社のホームページでも紹介されています。** kimihiko-yano.netから販売されるROMバージョンに対応。古いROMバージョンでは文字化けなどが発生することがあります。


5)日本語化されたマニュアル
kimihiko-yano.net ではオリジナルのマニュアルを作成しています。現在のマニュアルは96頁で構成されています。単に和訳化したものではなく、完全にオリジナルの内容になっている。マニュアルには基本的な使用方法からバッテリーパックのメンテナンスまで詳細な説明がおこなわれている。kimihiko-yano.netではプロトラックのソフトウェア試験をおこなうと同時にマニュアルも作成しているのでタイムラグなく最新ROMとそれに対応するマニュアルを配布できます。マニュアルはCD-Rでの配布となるが、別売りで印刷済みマニュアルも購入できる。

なお現在、マニュアルの英訳が進んでおり将来的にはプロトラック社の正式マニュアルとして配布される予定である。

全ページカラー、図表を多く使ってプロトラックの機能を詳しく説明

**マニュアルプレビュー画面の一部


6)日本国内での修理・サポート体制
kimihiko-yano.netでは国内での修理サポートもおこなっています。高度な修理が必要な場合はプロトラック社での対応となることもありますが部品交換や再調整などは日本国内で対応可能です。今後は修理時の代替え器貸し出しサービスなども行う予定です。


kimihiko-yano.netではプロトラック社との良好な関係を維持し、これからもユーザサイドに立った製品作りに協力したいと考えています。プロトラックに追加したい機能や効率的な充電シーケンスを見つけた場合は是非 kimihiko-yano.netに連絡してください。あなたのアイデアをプロトラックに導入し、世界標準に。。そんな夢もkimihiko-yano.netではサポートしていきます。

 

【新型プロトラック主な仕様】

用途 R/C 模型用バッテリーの充電・放電・サイクル充放電
制御方式 シングルチップマイコン制御
充電方式 定電流(リニア)、パルス電流3種(Soft/Hard/Reverse)
充電カット方式 デルタピークまたは温度検出 **温度検出にはオプションのTemp Detect Moduleが必要
入力電源 DC12-14V
対応バッテリー SUB-Cタイプ ニッケル水素及びニッカドバッテリー1〜6セル
液晶ディスプレイ ブルーバックライト付LCD 2行表示
充電電流 1.0A〜12.0A(0.5Aステップ)
Δピークカットオフ電圧 0.02V〜0.12V(Ni-Mh)、0.02V〜0.30V(Ni-Cd)
放電電流 30A固定
放電カット電圧 0.00V〜1.10V(セル当たり)
サイクル充放電回数 1〜99回