Charge Typeの影響

プロトラックには4種類のCharge Typeが搭載されています。Charge Typeは充電中の電流をどのように制御するかをあらわすもので一般的な充電器ではずっと一定の電流を流す「リニア」が主流です。プロトラックにはリニアはもちろんその他にもハードパルス、ソフトパルスそしてプロファイルというCharge Typeを持っています。今回の実験はCharge Typeを変えたとき放電特性にどのような影響があるのか確認することが目的です。

【リニア充電の例】

一般的な充電器はこのように一定の電流でバッテリーを充電するものが多いようです。もちろんプロトラックでもこのようなリニア充電が可能です

【ハードパルス充電の例】

ハードパルスは1秒ごとに17ms(*)だけ電流を上げる方法です。どのくらい電流を上げるかはセットアップ画面のHard Pulse %で設定できます。図はHard Pulse %を50%に設定した例です(5Aの50%である2.5Aだけ電流が上がっています)

*1ms(ミリ秒)は0.001秒

【ソフトパルス充電の例】

ソフトパルスは20ms毎に5ms間だけ電流をOFFにする方法です。

【プロファイル充電の例】

プロファイルはリバースチャージやフレックスチャージとも呼ばれる方法です。これは充電中に5msだけ放電をおこなう方法です。充電開始直後にこのような放電をおこなってしまうとセルへのダメージが発生します。このような問題を避けるためプロトラックはある程度充電が進行してから放電がおこなわれるようになっています

 

それでは各Charge Typeで充電をおこないその後放電したときどのような違いがみられるか調べてみましょう。

バッテリーはGP3700ノンマッチドを6セルに組み立てたもの。充電電流は6A、カットオフは0.04V/パック、室温25度という環境でテストをおこないました。

 

 

これはパック番号1を各Charge Typeで充電し、5分後に放電したときの電圧を記録し比較したものです。

グラフで見る限りどのCharge Typeでも放電データには違いが無いように見えます

LI:リニア
SP:ソフトパルス
HP(30):ハードパルス(30%)HP(120):ハードパルス(120%)PF:プロファイル

これはパック番号2のデータです

やはりグラフで見る限りどのCharge Typeでも放電データには違いが無いように見えます

グラフでは明確な違いが見られませんでした。それだけ違いが少ないということですが、ここで放電時間と放電平均電圧値で比較してみます。

グラフの上にあるのは充電直後のセル温度です。温度を測ったセルは一番端のものです

ソフトパルスでは仕上がり温度が他に比べて2〜3度低いことがわかります

HP30、PFはリニアと比べて遜色ないデータが得られました

AV1:(放電5分経過時の平均電圧)

AVE:放電全体での平均電圧

こちらはパック2番のデータ。SPの充電完了温度はやはり低め。3ステージ充電でセル温度を上げないよう、2ステージ目で電流を下げる場合、ソフトパルスを併用するとより効果的かもしれません(いずれ実験してみようと思います)

パック2ではなぜか放電時間が他より2〜3秒短くなっています。このためハードパルス(30%)とプロファイルのパフォーマンスが上になっています。

意外にも大きな差が現れなかったというのが今回の感想です・・

 

【Charge Indexの紹介】

プロトラックでは一度の充放電でたくさんのデータが収集されます。それぞれのデータを1つ1つ検討していくのも楽しいものですが、もっと簡単に優劣を判断したいという方もいるでしょう。そんな時はここで紹介するCharge Indexという方法を試してみてください。充放電で得られたデータを足し算してバッテリーの性能を総合判定できるのがCharge Indexです。この方法はアメリカでプロトラックを販売する Chris Rhodes氏によって推奨されるものです。放電後に出力されるデータを下記式に代入してCharge Indexを計算してみてください。

Charge Index =(放電容量/10)+(放電時間)+(5分経過時の平均電圧x100)+(5分経過時の平均電圧x100)+(放電平均電圧x100)+(pwr%)-(充電ピーク電圧x100)

パック1のデータからCharge Indexを計算してみました。値が大きいほどパフォーマンスが良いということになります。

リニアで充電したときが最も良いという結果です。

どれが良いのか判断に困ったらCharge Indexを使ってみてください。

同じくパック2のCharge Index。

こちらはプロファイルで充電したときが最も良いという結果です。同じハードパルスでもパルス高さを上げた120%の場合はあまりパフォーマンスが良くないのが興味深いところです。

なお、プロファイル充電ですがNASAの関係者が実験したデータによるとバッテリーの寿命を延ばす効果があるようです。興味がある方は下記リンクから資料を入手してみてください(時間が無いという方はページ43のまとめだけ読んでもいいかもしれません)。レスポンスが悪いときもあるので気長にチャレンジしてください・・

http://web.archive.org/web/*/http://www.galaxypower.com/organization/NASA-II.pdf