電源の選定

今回は予告どおりダイノに使う電源に関する実験をレポートします。Fantomダイノの説明書には「電源は自動車用12Vバッテリーを使用のこと」と書いてありました。さっそく12Vバッテリーを準備してモータの測定をおこなってみました。しかし2〜3回ほど測定すると電源電圧が下がってしまい、安定したデータを得ることができませんでした(さらに電圧が下がるとエラーとなり測定できないこともありました)。そこでFantom社に質問したところ、彼らは12Vバッテリーをトリクル充電しながらダイノを使っているとのこと。さっそくトリクル充電可能な充電器を準備しもう一度データを測定し、次の結果を得ました。

【自動車用12Vバッテリー + トリクル充電を電源に使った場合】
下の図はこの電源を用いてモータを測定したデータをまとめたものです。青い線は電源電圧の変化です。トリクル充電をおこなっているので電圧は少しずつ上がっているのがわかります。ピンクの線はモータの最大パワー(W:ワット)の変化です。トリクル充電することで測定不能となってしまうことはありませんでしたが、最大パワー値が安定していません

前回までのレポートでも紹介しましたが、Fantomダイノは2系統の電源を使います。1つはダイノ本体の駆動用、そしてもう1つはモータの駆動用です。モータへの供給電圧は5Vにレギュレートされて使われます。ということは一般的なRC用バッテリー(6セル)も使えそうです。さっそくチャレンジしてみました。

【6セルバッテリーを電源に使った場合】
RC用6セルバッテリーを電源に使った場合はこのようになりました。バッテリー電圧の低下に伴ってパワーも減少しています。16回目の測定前にバッテリーを再充電したところパワーも復活しました。6セルでは少しの電圧低下が大きく影響を与えるようです。ただ、パワーの振れ幅は自動車用12Vバッテリーより少なく、最初の2、3回ならある程度安定したデータが得られそうです

電源電圧は5Vに対してある程度余裕をもったほうが良いようです。そこで2つの6セルバッテリーを直列に接続(12セル)して電源として使ってみました。

【12セルバッテリーを電源に使った場合】
12セルバッテリーを電源に使った場合は次のようになりました。6セルほど顕著では無いのですがやはり電源電圧の低下に伴ってパワーが減少していることがわかります。最初の5、6回ならある程度安定したデータが得られそうです


12セルバッテリー + トリクル充電を電源に使った場合
12セルバッテリーをトリクル充電しながら使った場合は次のようになりました。パワー値が下がっていく傾向は少なくなりましたが値があまり安定しませんでした


【12V安定化電源を使った場合】
最後に安定化電源を使ってみました。ターン数にもよりますが、モディファイドモータでは最大120Aほど電流が流れるようなのでそれに見合った電源を準備する必要があります。今回は実験のため知人から電源を借りまくって(合計7つ!)並列に接続して使ってみました。意外と値が安定しませんでした(なぜ?)

 

【まとめ】
結果をまとめたグラフがこちらです。1つのモータをメンテ無しで5回連続して測定することはまず無いと思うので測定回数5回までの結果をグラフにしました。

12セル、または安定化電源を使えば安定したデータが得られそうです。ただセルの劣化を考えると初めから安定化電源を使ったほうがいいのかもしれません。